■有害化学物質指針値

2001年4月、厚生労働省より VOCの室内環境濃度に関する規制対象物質として次の8物質と化学物質総量についての指針値が示されています。下記に揚げられた指針値は、人がその化学物質の示された濃度以下の暴露を一生涯受けても健康への影響を受けないであろうとされる判断により設定された値です。但し、これらの数値と発症状況による因果関係は個人差が大きく、これらの数値以下でも発症したり、より高濃度でも発症しない場合もあり得ます。

(資料:1)

物質名
室内濃度指針値
主な用途
健康への影響
ホルムアルデヒド
0.08ppm
(100μg/立米)
合板、パーティクルボード、壁紙、接着剤 鼻、咽頭の刺激、流涙、くしゃみ、せき、吐き気、呼吸器障害、発ガン性
トルエン
0.07ppm
(260μg/立米)
施工用接着剤、塗料溶剤、ワックス溶剤 倦怠感、知覚異常、吐き気
キシレン
0.20ppm
(870μg/立米)
塗料溶剤、樹脂、ワックス溶剤 眼・咽喉の刺激、知覚障害、吐き気
パラジクロロベンゼン
0.04ppm
(240μg/立米)
防虫剤 眼・鼻・のどの刺激、咽頭痛、悪心、嘔吐、肝・腎機能低下
エチルベンゼン
0.88ppm
(3800μg/立米)
塗料、接着剤 眼、皮膚、気道の刺激、中枢神経への影響
スチレン
0.05ppm
(220μg/立米)
発砲スチロール 眼、皮膚、気道の刺激、喘息
フタル酸ジ-n-ブチル
0.02ppm
(220μg/立米)
プラスチック、塩化ビニルの可塑剤 吐き気、頭痛、めまい
クロルピリホス
0.07ppb
(1μg/立米)
シロアリ駆除剤 倦怠感、頭痛、めまい、悪心、嘔吐
トータルVOC
(揮発性有機化合物総量)
(400μg/立米) ※新築は1,000μg/立米

(参考1)ppm:百万分の一の濃度、ppb:十億分の一の濃度、μg:百万分の一グラム、立米:立方メートル
(参考2)μg/立米は重量表示、ppmは容積表示



■有害化学物質の発生要因



図面提供:福井コンピュータ(株)/バーチャルハウスより




■ホルムアルデヒド放散量の国内規格

日本工業規格〔JIS〕:MDF(ミディア・デンシティ・ファイバーボード)、パーチクルボード等

表示区分
ホルムアルデヒド放出量(最大値)
E0
0.5mg/L以下
E1
1.5mg/L以下
E2
5.0mg/L以下


日本農林規格〔JAS〕:普通合板、構造用合板、特殊合板、コンクリート型枠用合板等

表示区分
ホルムアルデヒド放散量
平均値
最大値
Fc0
0.5mg/L以下
0.7mg/L以下
Fc1
1.5mg/L以下
2.1mg/L以下
Fc2
5.0(3.0)mg/L以下
7.0(4.2)mg/L以下

※( )内数値は集成材